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うおぬま探検隊>山桜の箸
新潟県川口町木沢の阿部和雄さんが山桜の枝で作った箸は、阪神淡路大震災の被災者と新潟中越地震の被災者の交流の橋渡し役を担いました。

山ブドウのつるで作ったリース。

木沢集落に自生する山桜は、飴色の皮が美しい。

阪神淡路大震災の発生から17日で丸15年。新潟県中越地震(2004年10月)の震源地に近い新潟県長岡市川口地区木沢の阿部和雄さんは、被災地同士の交流を続けている阪神淡路大震災の被災者へ、集落に自生する山桜の枝を使った手作りの箸を贈る。「この箸を使って、自然豊かな木沢を思い出してほしい」と手紙を添えて。素朴な工芸品が、交流の橋渡し役を担う。

阿部さんは当初、15日に兵庫県西宮市で開かれた復興住宅の住民との交流会に参加する予定で、手作りの箸は手土産のつもりだった。カッターナイフで枝の先端を細く削り出す。手で持つ部分は飴色をした山桜の皮がつややかに光る。6人で出発した14日、新潟県は大雪に見舞われ、「無理をして心配させてもいけない」と取りやめた。

「積雪は3メートル以上。木沢でこれだけの雪が積もるのはあのとき以来」。中越地震直後の冬も、木沢は豪雪に見舞われ、高齢化が進む住民を悩ませた。避難所暮らしを終え、壊れたままの自宅へ戻ったころと同じ景色が、苦しかった頃を思い出させる。「夜を迎えると『また地震が来るんじゃないか』と心細くなって」。大規模半壊とされた自宅を修理する傍らで、87才の父を病気で亡くした。「被災後2年間は、つらい時期が続いた」と振り返る。

西宮市を初めて訪ねたのは2年前。両被災地の救援にかかわったボランティア団体の仲介だった。被災地同士が経験を語り合うなかで、落ち着きを取り戻した。互いに訪問し合う交流会は3回を数え、電話や手紙で親交を深めている。

17日、木沢では無病息災を願う小正月の行事「賽の神」がある。阿部さんは、「木沢も西宮の皆さんも、健康で再会できますように」と祈るつもりだ。山桜が花を咲かせるころ、「西宮を訪ねたい」と春を待ちわびる。